現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 93.21 USD 0.594 2024年04月30日 16:16 PM  更新

【連載194回目】【NZ不動産の最新事情】オークランド、賃貸物件の慢性的不足が続く…投資家にはチャンスも

2024年4月12日

連載コラム 一色 良子

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コロナ禍が収束してから、ニュージーランドのオークランドでは徐々に不動産マーケットも回復。物件は不足傾向で、投資家のチャンスともなっています。NZ不動産売買のリアルな現場から、最新事情をレポートします。※本記事は、2024年4月5日現在の情報に基づいて執筆されています。


 

「外国人枠がある物件、購入は4月末まで…締切間近に

 

これまでも何度か記事で発信していますが、2018年10月より、ニュージーランド政府の規制によって、外国人は中古物件を購入することができなくなりました。

 

外国人が購入できるのは、20戸以上の集合住宅が新築開発される際に、開発会社が認可を得た外国人枠が確保されている物件と、商業用物件のみとなっています。

 

現在販売している外国人枠のある物件が完成間近となり、4月末でその枠も終了となります。70万NZドルから180万NZドル台の予算がある方は、オークランドの賃貸物件への投資が、ギリギリ間に合うかもしれません。

 

ニュージーランドは、効率的な賃貸運営が可能で、物件価格も比較的安定し、将来のキャピタルゲインも期待できる国です。資産分散にも役立ちますので、関心がある方は、検討されてはいかがでしょうか。

 

筆者はこの国と縁ができて36年、移住して28年が経過しました。移民の受け入れが強化され、街は近代化・国際化が進んでいますが、まだマーケットは小さく、さまざまなチャンスがあります。

 

賃貸物件探しが困難なオークランド、家賃の上昇止まらず

 

コロナ禍の時期、アパートメントは空室の増加や家賃の下落など、多くの問題が起こっていたオークランドの不動産マーケットですが、徐々に回復し、現在では家賃の上昇が続いています。

 

また、テナントとのいざこざも増え、管理マネージャーは賃借人の身元調査を強化しています。また、移民の増加も影響し、さらに賃貸物件探しが困難になっています。身元保証人が必要になることから、移住者で身寄りがない方の場合、二重に大変な状況です。

 

さて、シティのアパートメントと、郊外の住宅地の家賃相場をご紹介したいと思います。

◆シティのアパートメント

1ベッドルーム:350~400 NZドル

2ベッドルーム:450~600 NZドル

3ベッドルーム:650~1,000NZドル

 

◆郊外の住宅、セントラル地区

〈2ベッドルーム〉

長屋ユニット:450~650NZドル

タウンハウス:600~700NZドル

〈3ベッドルーム〉

戸建て:700~1,000NZドル

タウンハウス:650~800NZドル

 

日本からの移住者の方のみならず、ニュージーランド国内の地方都市からオークランドに来た方々も、賃貸物件探しの際、気に入った物件に出会うまでオファーをかけない方が多いようです。

 

そのため、希望する物件に複数の希望者が出てしまい、家主に選んでもらえない、契約成立しにくい、といった状態が起こりがちです。そしてまた最初から検索、内覧へ…という工程を繰り返していると、物件探しだけで1週間たってしまうこともあります。オファーを出しては断られ…の連続で、嘆いておられる方もたくさんいます。

 

物権確保のコツは「パーフェクトではないけれど、ここなら住んでもいいな」と思う家があったら、ひたすら申請をしていくことです。家主から選ばれればラッキーですし、二股かけてひとつキャンセルするくらいのハートの強さがないと見つけられません。

 

二股をかけるのを遠慮し、本命の家が見つかるまでオファーしないでいると、土壇場で契約が決まらなければ、また一からやりなおしです。時間も手間もガソリン代も無駄になってしまいます。

 

現地で住宅購入を希望する人へ、プロからのアドバイス

 

このように、オークランドでは賃貸物件が慢性的に不足していることから、投資家の皆様にはチャンスがあります。誰もが「住みたい」と思う物件を購入しておけば、空室率は少ないでしょう。

 

田舎のほうは、もともと自己物件所有率が高く賃貸物件数が少ないので、比較的短期で次のテナントが見つかります。

 

オークランドは人口増加による交通ラッシュなど、さまざまな課題はありますが、ニュージーランド自体は投資家を歓迎し、求めていますので、さまざまなところにチャンスがあります。興味のある方は、ぜひ検討してみてください。

 

転職先で驚いた…不動産業界にも押し寄せる、デジタル化の波

 

私事ですが、20年間所属していた大手不動産会社から、2018年に創業したばかりの不動産会社へ移籍しました。新天地での業務スタートです。

 

不動産仲介会社は一般的に、オフィスを構え、フランチャイズ化して経営されることが多いのですが、新しい会社は違います。

 

●勤務場所は在宅もしくは売買物件の現場。オフィスはなし

●家探しのリスト検索はすべてオンライン

●SNSを利用した広告展開を強化

●会議や研修はすべてZoom

●事務関連は本部に雇用されたサポートチームが稼働

●各種契約も、顧客とのやりとりも、基本は独自のオンラインシステムで対応

 

不動産の販売方法は、オークション、定価付け、ネゴシエーションといままで通りですが、ペーパーレス、オフィスレスと時代の最先端で、経費節減。情報はすべてオンラインで共有し、タイムリーに伝播していきます。

 

正直、ここまでくると「そのうちセールスマンも不要になるのでは…?」と思わなくもありませんが、やはり、人が暮らす物件を販売するには、人と人のコミュニケーションが不可欠だと信じ、引き続き、マイホーム選びや、不動産投資へのコンサルタント業務にいそしんでいます。

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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