現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 93.61 USD 0.597 2024年04月30日 10:11 AM  更新

最新データで見る「ニュージーランド平均住宅価格」の上昇率

2016年8月26日

連載コラム 一色 良子

住宅 投資 物件

ニュージーランドの平均住宅価格は、まさにロケットのような上昇率を見せています。今回は最新データをもとに、ニュージーランドの平均住宅価格の推移と、投資家の動きを説明します。


依然として上昇が続くNZの「平均住宅価格」

ニュージーランドの住宅市場(というロケットの推進力)は依然衰えを知らず、先月発表されたQV(ニュージーランド不動産鑑定公社)の指標では、国内の平均住宅価格は初めて60万NZドルを超えました。

オークランドでは急伸が続き、7月には一日当たり552NZドル上昇し、月の終わりまでには平均住宅価格は100万NZドルの大台に迫りました。この国内最大都市での7月時点の平均価格は6月の97万5,087NZドルから上昇して99万2,207NZドルとなりました。

オークランド市場は前年度より16%、過去3カ月間で5.2%上昇しました。オークランド市場での価値は2007年の最高値と比較し81.6%上昇しており、また、この1年間に上昇した15.55%のインフレ率を加味すると、2007年の最高値より54.2%上昇したことになります。

先月QVが発表した住宅価格指標から、7月の国内の居住物件価値がこの1年間に14.1%上昇したことが分かります。過去3カ月間でみた場合6.1%以上の上昇となり、また、2007年後期の市場最高値に比較して45.4%上昇しています。

インフレ率を加味すれば、国内の年間上昇率は僅かに下げて13.7%となり、2007年の最高値から23.5%上昇していることになります。現在の国内平均価格は60万NZドル越えを果たし、60万2,434NZドルをつけています。

オークランドを含めた6月の国内平均価格は59万909NZドルであり、この数字から7月中の国内住宅価格は、一日当たり372NZドル近く上昇したことが分かります。

 

新ルールによって「買い控える」投資家も

QVナショナル・スポークスマンのアンドレア・ラッシュ氏は、低金利、活発な投資、および高い純移住率が裏支えし、住宅価格はニュージーランドの多くの地域で急伸していると述べています。

「ハミルトン、クイーンズタウン・レイクス、そしてタウランガでは過去最高の伸びをみせており、ハミルトンに至っては2015年7月以来31.5%上昇しています。これは同期間のオークランド市場の上昇率である16%の約2倍の伸び率です」

「しかしオークランド市場での伸びも加速し続け、この3カ月間で5%以上上昇しました」

続いて、ラッシュ氏はウェリントンおよびダニーデンの住宅物件市場も、また強い伸びを示していると述べました。

「需要と供給に折り合いがついているクライストチャーチでの価格上昇は比較的に緩やかであり、また、賃貸物件の過剰供給が賃料低下を招いています」

住まうことを目的としない物件の購入を行う者に対して(購入物件価格の)、40%の保証金を求める準備銀行の新ルールが住宅市場にもたらす影響について発表するのは、時期尚早であったとラッシュ氏は言います。

「しかしながら、一部の地域においては、この新ルールによって投資家による購入が見送られた事例が既に報告されています」

以下の表では、国内の平均住宅価格を示しています。

 

[図表]QV住宅価格指標2016年7月発表

51-2 51-3 51-4 51-5

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
連載コラム 記事一覧 >

最近の記事

関連記事

Related Post

ニュージーランド ガイド

New Zealand Guide

ニュージーランド ガイド

New Zealand Guide