現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 93.34 USD 0.597 2024年04月29日 22:37 PM  更新

過去最高を記録したニュージーランドの新規住宅建設の許可数

2016年4月25日

連載コラム 一色 良子

オークランド 住宅 開発

住宅不足が近年、深刻な問題になっているニュージーランド。今回は、過去最高を記録した「新規住宅建設許可数」について詳しく見ていきましょう。


 

オークランドで特に顕著な建設許可数の伸び

2月に発行された新規住宅建設許可数は大きな伸びがみられ、特にオークランドで顕著でした。

 

ニュージーランド統計局によれば、2月の建設許可の発行件数は国全体で2379件あり、これは昨年2月に比較し35.3%増に当り、2004年2月以来最高値とのことです。

 

2月までの12カ月間で2万7745件の住宅建設許可が発行され、その前の12カ月間に比べ12%増加しました。

 

建設許可対象の最も多くが一戸建て住宅であり、1712件が2月に発行され、次いでタウンハウス、フラットおよびユニットが341件、アパートメントが204件の、そしてリタイアメント・ヴィレッジ・ユニット(老後施設)が122件でした。
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2月のオークランドでの建設許可発行数の787件(前年2月は528件)を筆頭に、カンタベリーの525件(前年2月は517件)、ワイカトの274件(前年2月は195件)、ベイ・オブ・プレンティの200件(前年2月は101件)、そしてオタゴの172件(前年2月は73件)と続きました。また、同月のウェリントンの建設許可発行数は113件で6番目でした(前年2月には102件)。

 

先月発行された新規住宅建設許可件数の総価値は9億2600万NZドルに相当し、月間ベースでは過去最高となりました。

 

さらに、既存住宅の増改築に対する建設許可の総価値は1億1500万NZドルに及び、これは10億7700万NZドル相当の住宅建設工事が先月認可されたことになります。また、昨年2月の同価値は7億6900万NZドルでした。

 

しかし、先月の非居住物件の建設許可は減少し、昨年2月の非居住物件の建設総額の4億7000万NZドルに対し、3億7200万NZドルでした。

 

先月の非居住物件建設の内訳は、倉庫などの保管施設の8200万NZドルを筆頭に、賃貸物件の5800万NZドル、オフィスの5200万NZドル、教育施設の4600万NZドルと続きました。

 

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住宅不足が原因で不動産価格が高騰するオークランド

オークランドでの新規住宅建設許可発行数の伸びは順調と言えますが、急速な人口増加による住宅不足を解消するにはまだまだ遠く及びません。

 

オークランドでは、人口増加に対応するために毎年最低でも1万4500戸が新たに必要とされており、毎月1208戸が新たに必要になる計算になります。

 

先月オークランドで発行された建設許可数は787件であり、これは本来必要とされる発行数のわずか65%でしかなく、毎月同都市の住宅不足は悪化していることを意味しています。

 

住宅不足は、住宅価格を押し上げる要因の一つなっており、ユニタリープランによる低層から高層への新規住宅建設許認可の緩和は、住宅不足の解消になるのかが今後の鍵となることでしょう。

 

[図表]オークランド商業・居住地域開発計画(2012-2042年)

 

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Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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