ニュージーランドの準備銀行は、オークランドの不動産市場の過熱を抑えるために、昨年11月、新ルールを導入しました。今回は、新ルール導入後の投資家たちの動きと、今後の予想について見ていきます。
投資家による不動産物件の購入は増加の一途
融資ルールの引き締めを行っても、住宅の購入方法を模索し続ける投資家たちを止めることはできません。
準備銀行が12月に発表した新指標は、同月の住宅購入ローンに充てられた60億ドルのうち、1/3以上が投資家たちに渡っていることを示しています。これは、投資家たちによる物件の購入割合が全体的に増加し続けた、昨年度の指数に匹敵するものです。
9月に利用された住宅ローンのうち、約34.5%が投資家たちに向けられたものでした。また、これら指標は全国的なものであり、準備銀行は現在までにオークランド指標の公表を行っていません。
同行は、オークランドでの投資家たちによる住宅購入の月間割合が40%以上にのぼるとみていたため、11月に新たなルールを導入し、オークランドの不動産投資家たちが購入する住宅価値の70%以上のローンを組めないようにしました。
準備銀行の規制でも投資家の購入意欲は衰えない!?
当初は、これが大きなインパクトを与えると考えられていました。
しかし、この新ルールの導入直前の10月、不動産投資家たちが占める物件購入割合は全体で29.3%まで落ち込んだものの、またすぐに元の状態に戻りました。11月と12月の投資家たちへの貸付は貸付総額の33.5%にまで上りました。
もっとも、これらはあくまで全国的な数字であるため、以前からささやかれているように、投資家たちがオークランドの外に目を向け始めている可能性も考えられます。
しかし、それがある程度事実であるとしても、こうした具体的な数字が示すものは、オークランドの多くの投資家たちが、依然としてオークランドでの物件購入を考えているということです。
12月の指標は、投資家たちに貸し出された住宅ローンの20億ドルのうち13億ドル(全体の約65%)が、LVR(ローン資産価値比率)の70%未満であったことを示しています。これがわずか数カ月前の指標と比べて大きく異なる点です。
2014年12月時点で、16億7000万ドルが投資家に貸し付けられていたことと比べてみましょう。当時は貸付金の半分以上が70%のLVRを超過していました。そのため投資家たちは、住宅購入の際、曲がりなりにも余剰資本を得ることができました。
この新ルールは、投資家たちの興味を削ぐことでオークランド市場の過熱を抑えるためのものであることから、これらの指標は、新体制が始まって間もなかったという点を踏まえた上でも、新ルールは現在までに「準備銀行が期待していた効果をもたらしていない」ということを示しているのかもしれません。
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