資産分散と償却メリット狙いの不動産投資先として、いま大きな注目を集めているニュージーランド。今回は、同国のマクロ経済の現状と、なぜその不動産が注目されているのかを概説します。
不動産は過去25年間で平均6.3%の価格上昇
2014年、先進国の中で、GDP成長率トップのニュージーランド。今、一人当たりのGDPも日本を抜き、近年、大変な経済成長を遂げています。 肥沃な大地や観光業が注目を集める一方で、移住の人気も高いこの国では、様々な投資機会を見い出すことができます。
不動産価格についても、安定した上昇を続けており、過去25年間で平均6.3%の成長を遂げています。2008年のサブプライムローンの下落率はわずか15%、アメリカ不動産の下落率50%に比べるとかなり影響が少ないのです。
NZ不動産が注目を集める4つのポイント
①所得税の節税
減価償却を活用した所得税の節税方法です。ニュージーランド不動産の建物価値は、日本に比べ、高く評価されることが多いのです。築100年以上の中古物件が売買されることも少なくなく、リノベーションを繰り返し、建物価値を高めているのです。
特に築22年以上の中古不動産を購入して、減価償却という魔法の経費を使い日本の所得から経費として差し引くことができます。例えば、木造築22年 以上経過している建物を4,000万円で購入した場合、毎年1,000万円を4年間に渡り、所得から差し引くことができるのです。非常に効果的な節税方法 と言えます。
②キャピタルゲイン
不動産価格の値上がりによる利益です。日本では不動産価格が上昇を続けることに馴染みがないかもしれませんが、ニュージーランドでは不動産は上昇する資産と考えられており、これまでに長期にわたった下落はありません。
ニュージーランドに暮らす人々は、現金資産を持たず、不動産や実物資産を購入しています。理由は、インフレによる資産防衛のためです。金利に対して税金はかかりますが、キャピタルゲインに対する税金がかからないのもその理由の一つです。
③インカムゲイン
購入した不動産を賃貸に出しテナント収入を見込みます。ニュージーランドの利回りはネットで約4%です。貸し主の優位性が高いのが現状で、滞納リスクも低く、テナント管理も容易です。
④資産のリスク分散
外貨で資産を作りリスクを分散させます。また、金融資産だけでなく、実物資産である不動産を所有することにより、円リスク、インフレ対策による資産を防衛することができます。
次回は、GOO property ニュージーランドより、現地の最新情報をお届けします。
Author Profile
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1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。
1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。
現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表として活躍中。
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