現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
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【連載185回目】アジア系移民も地方都市を「マイホーム購入」の候補地に…予算2000万円から投資可能な状況へ

2023年7月20日

連載コラム 一色 良子

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ニュージーランドでは、コロナ禍以降に人々の就労形態が変化したことで、通勤に便利な都市部から自然豊かな地方都市へ住まいを移す人が増えています。マーケットはまだ厳しい状況ですが、タウンハウスの開発も進み、ファーストホームバイヤーの動きも活発化するなど、明るい兆しが見えています。

※本記事は、2023年7月7日現在の情報に基づいて執筆されています。

 

ニュージーランドの不動産マーケット、足踏み状態から脱出へ

 

日本が梅雨を迎えるなか、南半球のニュージーランドは冬のいちばん厳しい時期を迎えつつあります。とはいえ、こちらも雨の降る日が多く、しっとりと寒い日が続いています。

 

元々、ニュージーランドでは7月に学校の長期休暇があるため、旅に出たり、休暇を取ったりする人も多く、不動産売買の件数が減る閑散期だったのですが、近年は、休暇の時期など関係なしに冬も忙しいことが多く、季節感や閑散期の概念がなくなりつつあります。

 

市況の厳しかったころと比べると、オープンホームの訪問者数も増えてきており、購買威力は落ちていないことを感じます。

 

住宅ローン利率も、少しではあるものの改善傾向にあり、銀行やモーゲージブローカーも融資力をアピールしているようです。

 

新築タウンハウス増加、ファーストホームバイヤーも活発に

 

毎月お伝えしていますが、現在、オークランドではタウンハウスの建設が各地で進んでいます。そのなかでも、完成して最終販売へと進む物件も増えてきているため、ファーストホームバイヤーの動きが活発化しています。もし購入予定があるなら、不動産デベロッパーが開発計画の最終段階へと進もうとしている今がチャンスだといえます。

 

デベロッパーは「あと数軒を販売すればこの開発は終わり、次の開発計画へと進める」という状況のため、最終売り出しとして価格を下げており、90万ドル台で販売していた物件が、3万ドルから5万ドル値下げし、80万ドル台後半で販売しているようなケースもあるのです。

 

同時に、昨年90万ドル後半で物件を購入した方々の入居も始まっています。現地で在庫販売の営業をしているとき、かつてのお客様と再会し、「いまはこんなに安くなっているのね…」と言われることがあります。セールスマンからすると、心が痛むお言葉ではありますが、こちらの説明を待たずにお客様のほうから「時期が違えば仕方ありませんからね」「私自身が納得して選んだのですし」といっていただき、ありたがたくも恐縮しています。

 

ほしい物件があっても、高金利の問題、想定以上の高価格で頭金の準備が足りず、予算内に収まらない…といったお悩みは尽きません。

 

ほかにも「値下げしている物件であってもワンランク上で手が届かない」というお客様に予算に合う物件をご紹介すると、希望に合わないといわれるなど、理想の物件と購入可能な物件のギャップを埋めるのに苦労をしているのが現状です。

 

筆者はお客様に「予算やランクに100%マッチする家を探すのではなく、いま買える予算で手に入る家を買いましょう」「いま家を手にするということが重要です」と、常々お伝えしています。

 

「なかなか希望にかなう物件がない」「もう少し待てば価格が下がるかもしれない」「マーケットがよくなってから考えよう」…と、行動を起こさずにいると、さらなる価格上昇などで結局なにも買うことができず…といったことも起こりえます。「買おうと思ったときに買う」というのが、この国での不動産購入のポイントかもしれません。

 

地方物件、自然豊かな「穴場」を探して移住する人が増加中

 

大都市の物件価格が高騰していること、また、生活環境の変化によって、地方へと住居を移す方も増えてきています。

 

地方のエリアによっては、中心地の半額程度で家が購入できるため、オークランドの自宅を売却して移住し、老後生活の計画を立てる…といった具合です。

 

これまで回復傾向にあるとはいえ、オークランドの不動産売買は苦戦が続くなか、地方での売買も同じく苦戦を強いられていました。しかし、ここ数週間で動きに変化が見え、他の都市からの移動者の不動産購入が目立つようになってきました。

 

移民政策においても、オークランド以外での居住は永住権取得のためのポイントが加算されますし、インターネットの普及やコロナ禍以降も定着した就労形態の変化から、リモートワークが可能になった人々も、のどかな地方都市への移住を希望するようになっていました。

 

クウィーンズタウン、タウランガと有名なリゾート都市の場合は、オークランドほどではないものの、価格が高い傾向にありますが、その手前の都市や、有名な湖・海でなくても、近くに川・海・そして山などがある自然豊かな穴場の街を見つけ、移住していくのです。

 

元々のKIWI=NZ人たちもそうですが、アジア系移民も生活拠点を移す傾向があるようです。

 

暮らしと密接にかかわる家は、居住用と投資用とで見るべき部分は異なりますが、少なくともNZに住む人々は、自身の暮らしに合う家を求め、生活されていると、日々の会話で実感しています。

 

NZ不動産への投資が難しい時期ではありますが、2,000万円強の予算での不動産投資を検討している場合は、チャンスがあります。3,000万~5,000万円の予算がある場合は、商業用物件購入による投資も可能です。資産分散を検討しているのであれば、まずは実行してみてはいかがでしょうか。

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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