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Currency Rate1NZDJPY faild USD faild 2024年05月04日 11:53 AM  更新

オークランドで密かに進む区画整理の影響を受ける地域とは?

2015年12月11日

連載コラム 一色 良子

オークランド 一戸建て 住宅

オークランド議会は1階ないし2階建ての住宅のある「一戸建て区画」のルールを書き換え、新たに「複合住宅」区画(mixed house zone)として区画整理を進めることになりました。今回は、そのルールの影響を受ける地域や、ルールの具体的な内容について見ていきましょう。

 

「複合住宅区画」へと区画整理される一戸建て区画

オークランドの葉のように広がる郊外住宅地にある数万戸の住宅は今、複数のタウンハウスおよびアパートメント開発に向け、区画整理が進んでいます。

 

ポイント・シェブリエ、エプソン、マウント・エデン、マウント・アルバート、グレンダーウィン、およびセント・ヘリアーズ郊外の中央地峡(central isthmus suburbs):バーケンヘッド、グレンフィールド、およびタカプナのノースショア郊外:ファンガパラオア半島、クメウなどの田舎町、ハーウィックおよびマンゲリ・ブリッジの南部郊外は、現在秘密裏に行われている区画変更の影響を受ける地域に含まれています。

 

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区画整理の影響を受けるマウント・エデン


オークランド議会は、特に木や庭で囲まれた1階ないし2階建ての住宅のある「一戸建て区画」のルールを書き換えました。

 

新ルールのもとでは、何万軒もの家々が現在の形で在り続けることができなくなり、3階建てのタウンハウス、スタジオ、アパートメントの建設が許可される「複合住宅区画」(mixed house zone)として区画整理されます。

 

オークランドの地峡にある一戸建て区画は35%から21%に縮小され、西オークランドでは31%から23%に縮小されました。北および南オークランドでも同様のことが起こると予想されます。

 

副市長のペニー・ハルス氏は、オークランド全体の一戸建て区画は36.1%から28.8%に縮小し、その変更対象区画を示した地図が来月発表される予定で、また同氏は、区画整理を指示しています。

 

 

  対象となる郊外
 ★ポイント・シェブリエ

 ★エプソン

 ★マウント・エデン

 ★マウント・アルバート

 ★グレンダーウィ

 ★セント・ヘリアーズ

 ★グレンフィールド

 ★タカプナ

 ★ファンガパラオア半島

  ★クメウおよびハーウィック郊外や

  マンゲリ・ブリッジ郊外の南部に位置する田舎町

 

 

 

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複合住宅区画とは? 影響下の住民への通知は?

では具体的に、「一戸建て区画」「複合住宅区画」とはどういったものを指すのでしょうか。また、変更されたルールの内容や、変更点についての住民への周知はどうなっているのでしょう。それらについて下記にまとめてみました。

 

◎一戸建て区画とは?

当該区画には15万8282軒の家が建ち、オークランド居住区の32%を占めています。区画内では、600㎡毎に建蔽率35%、高さ制限8mの家を建築することが許可されています。つまりこの区画は、人口密度の低い、木々や庭で囲まれた郊外の住宅地を指します。

 

◎どのような変更がもたらされるか?

オークランド議会は現行ルールを変更し、何万という住宅を一戸建て区画から密集化の制御が容易で、さらなる開発が可能な「複合住宅」区画に移行することを提案しています。2階または3階建てのタウンハウス、アパートメント、スタジオの複合的な開発が可能となります。

 

◎一戸建て区画に対するルールはどのように変更されたか?

以前のルールでは、密集度の低い郊外において、広い私有地に囲まれた土地に1階ないし2階建ての家を建てることが許されていました。新たなルールの下では、新築住宅が自然または文化遺産指定地域内にないか、または重要なインフラ制限に適っているかなどの然るべき検査に合格する必要があります。

 

◎複合住宅区画でのルールとは?

都市型複合住宅区画では、タウンセンターおよび交通経路に隣接する地域では密集化規制が無くなる代わりに設計制限が強化され、高さ制限は3階建てまでとなりました。一方、典型的な郊外地域にある郊外型複合住宅区画では、1000㎡以下の土地の場合200㎡毎に一軒の家を建てることが許可され、1000㎡以上の土地の場合にはこの密集化規制は適用されません。強化された規制。2階建てまで。

 

◎変更案は誰によるものか?

オークランド議会は、ユニタリー・プラン(Unitary Plan:計画を実施するための政策やルール)について更なる開発強化を求める意見が寄せられた後、同プランの検討を行っている独立委員会に対し区画整理を実施するよう奨めています。開発強化を後押しする意見は、ハウジング・ニュージーランドのような開発業者や大地主から寄せられました。

 

◎影響下にある住宅所有者に発言権はあるか?

ほとんどの場合、ありません。一戸建て区画により自身の利益が守られると信じていたために、当該区画の非常に多くの住人がユニタリー・プランに関して申し立てを行っていません。正式なユニタリー・プランの手続きが始まった時点で参加していなかった者が後から参加することはできません。住民たちがこの変更を「適用外」として抗議することはできても、それはユニタリー・プランの独立聴聞パネルによる最終提案が議会に対してなされるのは来年になってからでしょう。

 

◎議会による住民への区画整理についての通知はあるか?

議会による住人への区画整理に関する通知は予定されていません。また議会は、住人に対しユニタリー・プランに賛同できるか否かを投票するよう呼びかけたと言います。役人たちは、議会は単に資源管理法(RMA=Resource Management Act)に規定された手続きに従っているだけだと言います。一戸建て住宅区画への変更を示す地図は来月公開される予定です。

 

今後、オークランドの物件を検討するときには、これらの情報に十分留意してください。その上で、物件の購入や投資計画を考えていくことが重要だといえるでしょう。

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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