現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 71.54 USD 0.659 2019年12月12日 05:18 AM  更新

【連載第143回】ラグビーWCの経済効果は?…クリスマス目前のNZ不動産事情

2019年11月15日

連載コラム 一色 良子

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クリスマス目前となり、不動産売買が活況となるシーズンを迎えたニュージーランドですが、今年はムードが停滞気味です。一部地域の物件価格は上昇、新規の売り物件数は減少していますが、実際には、このような平均値だけではわからないチャンスもあります。今回は、オークランド在住で不動産会社を経営する著者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。


日本に親近感を抱くニュージーランド人

 

9月20日~11月2日まで日本で開催されたラグビーワールドカップが終了しました。3連覇を目指していたオールブラックスは優勝を逃し、ニュージーランドの新聞は一面を真っ黒に塗りつぶしました。国民の心は暗く、そして株価までも下がってしました。

ラグビーはニュージーランド国民にとって、それだけ偉大なスポーツであり、人々の生活の一部なのです。

ここ数年、多くのニュージーランド人が日本へ訪れています。昔から日本に興味を持つ方が多い国でしたが、近年では一層日本のファンが増えました。若い人はアニメへの関心が高く、武道は昔から変わらず人気です。また、「和の文化」を通じ、和食ブームがさらに拡大しつつあります。日本人は礼儀正しく親切、日本の街は綺麗…と、日本への好印象を語る現地の方に会うたび、日本人として本当に誇らしく思います。

来年はオリンピックが開催されるほか、ワールドマスターズゲームズ2021関西、2025年には大阪万博と、日本に大勢の外国人が訪問する機会がたくさんあります。

オールブラックス=ニュージーランドを見て、ラグビー留学をしてみたくなったお子さんたちもいるでしょう。自然を愛する癒しの国のイメージがあるニュージーランドは、観光文化交流の発展も期待されています。これから両国の文化・経済面での交流がますます活発化し、海に囲まれた島国という共通点を生かしながら、ともに成長していくことを期待しています。

 

 

価格上昇した地域はあるものの、売買数は減少傾向

 

11月に入り、クリスマスまであと少し。ニュージーランドは不動産売買が盛んになるシーズンへと突入しました。12月第2週目ぐらいが年内最後の取引となり、中旬を過ぎると、みんな一気にクリスマスの準備に取り掛かります。12月になるとクリスマスパーティの開催がひっきりなしで、そこは日本の忘年会シーズンと似ています。

 

10月の不動産価格のデーターをご覧下さい。

[図表1]10月のニュージーランド不動産の価格

 

ベイオブプレンティ地区が初めて70万ドル台を超えました。タウランガ、マウントマンガヌイを中心とするビーチフロントの街で、近年オークランドから周辺地域からリタイヤメントの場所としても人気のところです。

 

約20年前、私が夏にこの地を観光で訪れたときと比較すると、現在はリゾート風アパートメントが立ち並び、ハワイのワイキキやフランスのニースのような雰囲気を感じます。ただ、規模が小さいため、その点はニュージーランドらしさがあります。オークランドの住宅価格の平均値も約93万ドルと、徐々にまた100万ドルへと近づいてきています。

 

そこで注目していただきたいのは、ニューリスティングのデータです。これを見ると、新規売り物件の数が減っているのがわかります。

 

[図表2]10月のニュージーランド不動産の新規売り物件数

高騰が続いていた不動産市場ですが、外国人規制等により、国内ファーストホームバイヤーの購買力を上げようという方針のなか、不動産売買による資産形成を狙う人たちが、長年にわたって複数の不動産を所有・盛んに売買を行っていました。

しかし今年に入ってから、投資家たちは世界的な情勢を読み、取引も鈍化・オークション成立も低くなり、不動産売買の熱気も少々冷めている印象です。

ある住宅のオークションに参加した方から聞いたお話です。もともとこの家の価格が高すぎて予算に合わなかったため、担当のセールスマンに「この家の価格は高くて、ちょっと予算に合わないの。○○ドルくらいで3ベットルームの新しい売り物件ないかしら?」と声をかけました。

するとセールスマンは「今年は物件数が少ないんです。来週出てくる家のリストもいくつかありますが、どれもお客様の予算とは合いませんね」と即答したとのこと。そして、「今年は物件数が本当に少なくて、昨年の2割ダウンなんです。月によっては、半分のときもあるんですよ…」とも。

このセールスマンは、いつもならリストを軽く10軒は持っていて、毎月広告にも出しているそうです。しかし今回は5軒程度。繁忙期だというのに少ないのです。

閑静な住宅街の物件は自己所有率が高く、みなさんご自宅として住んでいるため、マーケットに活気が感じられない現状では、なかなか自宅を住み替える気になれないのでしょう。

 

宅地造成できる地域は、新築物件の開発・売買が盛ん

 

一方、宅地造成できる地域はどんどん新築物件を開発しています。そういった地域では売買も盛んで、住宅のリストの数も増えています。

住宅販売数の平均値を見れば数字自体は下がっていますが、その値だけでマーケットを判断すると、読み間違えてしまうときもあります。資金がある方にとっては、いまは買いどきだといえます。とくに年内売り切り希望の家主は続出していますから、価格交渉がしやすい時期です。ただし、もし家の売却を検討している方は、2020年後半まで待つといいでしょう。その理由はまた来年お話したいと思います。

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。
1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。
現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表として活躍中。
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