【連載202回目】来年は、売り手市場か!? 人口増加で宅地造成が加速するNZオークランド。年末状況および来年度予測は?【現地バイヤーが詳しく解説】
2024年12月13日
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人口増加で、宅地造成がどんどんと加速するニュージーランドの都市オークランド。売り手市場が期待できる来年度の動向含め、NZ不動産事情を現地バイヤーが詳しく解説します。
※本記事は、2024年12月6日現在の情報に基づいて執筆されています。
年末ラストスパートの売買
こちらは、夏本番の季節となり、11月末からブラックフライデーのセール商戦、クリスマスを目前としたモールへの買い物、そして新居の買い物顧客で、まだまだ不動産業界も活発に動いています。
例年12月に入るとホリデーモードへ入るのですが、今年は、ラストスパートの売買を試み、オープンホームも開催して、忙しく活動しております。
現在オークランドでは、宅地造成が盛んです。古い家を壊し、800㎡~1500㎡の土地ができると、タウンハウスが建設されることが多く、いつのまにか、アパートやタウンハウスが建設されている街並みを見て、いつも驚いています。
また自社でも、タウンハウスの新規売り物件の販売依頼が、このホリデー突入間近に入り込み、急遽写真撮影など進め、あと2週間頑張ろうとしています。
正直、タウンハウスはリビングが狭い。どの家を見てもデザインが同じで、タイルも同じ。個性がないなと嘆く顧客もいます。庭も狭く、しかし、購入者も庭の手入れが面倒なので、芝生は要らないとか、石畳みにするとか。それによってある種個性が出て、人気度が左右されることもあるくらいです。ほう!
昔の人は、広い庭を好み、花壇の手入れも趣味の一つでした。しかし、現代人は、そんな暇を持つことなく活動し、狭くともマイホームにこだわるきらいがあります。特に若い世代は、高い賃貸物件に住むより、ローン返済に資金を回して財産形成をする方が良いと考え、モーゲージブローカーに相談へ行っているのです。
来年は、売り手市場か!?
今年は金利高騰によって、売値の期待度が達成せず、物件オーナー様達の心を痛めました。キャピタルゲイン狙いで物件を買う風習のあるニュージーランドで、キャピタルロスなんてありえない……!
ロスまではいかずとも、10年住み、改装して費用をかけ、不動産会社の手数料を払い……となると、ゲインがなかなか期待通りに得られない悔しさもあります。
今年後半は金利が下がってきたものの、まだまだレートは高く、また来年には大幅に下がるというニュースも飛び交い、慌てて買う必要なしとする人も多くいます。我が家もそうですが、売りを検討している人たちは、急ぎの用でなければ、来年マーケットに出すほうが高値を期待できそうです。
しかし、私自身の意見としましては、家の売買時期を検討するのも確かに賢いことですが、考えた今を大事に、あと伸ばしせず実行していく方が、結果的にお得というシナリオも多いです。口で言うのは簡単ですが、実行は難しい。
来年のオークランドはどこへ?
人口増加による、住宅不足。利益を求める開発会社は、市内中心地から郊外の方まで、どんどんと宅地造成を始め、ビジネス展開を進めています。
うちにも、土地の分割プランなどの資料が送られてきて、投資家はいないか? とよく持ち掛けられます。リターンは、40~50%だ。えええ、本当かな? そんな話は、半分聞いておき、半額の20~25%リターンで検討して、投資家を探します。投資家=資金集めが完了しないと、土地は買えないですからね。
ここ3日連続、開発会社のオーナーさんが、どんな土地をターゲットに、どんな家のサイズで開発するのか、延々と計画を話してくださいます。
この方は、元々設計技師ゆえに、この土地地盤、ファンデーションの部分の写真を一杯撮っておられ、私にも共有してくれるのですが、正直、そんなものを見ても家のことはわからない。さっさとどんな家を建設したのか? 外壁を見せてほしい。
やっとのことで、家にたどり着き、まあ、素敵なデザインだなと感動することもあれば、そんなものかと落胆するプロジェクトもあります。
ここだけの話、そのオーナーさんは、セントラルバキュームシステムを取り入れ、キッチンも二つ設置した、二世帯住宅を建設していました。二世帯は別として、このセントラルバキューム設備は、はっきりいって時代遅れなもの。昔は高額物件の象徴でしたが、今時、ハンディータイプや自動の清掃機があるのに、長いホースを持って各部屋、階段と掃除機をかける苦労はとらないでしょう。
思わず自慢された設備でしたが、そういうのを節約して、単価を下げ、売りやすくした方がいいと次回開発時の参考にズバリと話したのでした。
まだまだ、建設ラッシュのオークランド中心部。なぜだか、競馬場が二つもオークランドにはあるのですが、その周りにもアパート建設が高単価でなされていました。自分のベランダから競馬観戦ができる。馬好きの人には、たまらない場所です。
しかし、値段を聞くと、心は冷め。これだけの価格を出すのであれば、どこかもう少し離れて、郊外の1戸建てがいいと思う人口のほうが多いでしょう。
それにしても、こんな公園、競馬場、海の前のアパートメントに住める人は、うらやましい限りですが……。
投資法は幾つかあり、チャレンジが大事!
中古物件を買うだけが、ニュージーランド不動産投資ではありません。2018年から法律変更で停滞気味ですが、アパートメント、商業用物件、宅地造成していく土地、現地開発会社とのジョイント開発。いろいろ策はあります。
為替の関係で、外貨での投資に円としては弱い昨今ですが、金利、リターンの面では、ニュージーランドにおいて投資価値は高く、そこに目をつけた方からも、お問い合わせを頂戴しています。
価格は、約25万ドル=約2,200万円よりチャレンジ可能。また、50万ドル=約4,500万円の予算がありましたら、新規開発事業へのジョイント投資が可能となります。
約2年(大きな開発の場合は3年かかることがあるかもしれませんが)、現在投入している土地開発に中途参加で投資しますと、2年内でリターンを得、その資金でまた次へと進める。目標5年とか、10年スパンで検討し、チャレンジされるのが良いでしょう。40代、50代に、お薦めです。
もちろん、年齢に限らず、投資は可能です。全体の資産の3分の1や、半分を投入してチャレンジすることで、子孫への財産形成にもってこいのスキームです。
私は自然と形成してきましたが、当時はまだ知識が豊かではなく、また、今の時代と若干異なる状況もあり、今のようなスキームでは行動できず地道な投資をしていました。
今では、効率がよく、リスクがあったとしてもバックアップできる範囲内のものでチャレンジされると、損害は減り、むしろ自然な流れで大半は開発できるでしょう。成果がしっかりと期待できる時代です。
最後に、今年も記事を読んでいただき、感謝いたします。気候変動があるこの夏の時期。ニュージーランドでは、水不足を懸念しています。自然を大事に、来年はさらに生活習慣を改善して、自然の流れを見ながら暮らしていければと思います。
それでは、どうぞ良い休日をお過ごし下さいませ。ありがとうございました。
Author Profile
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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