現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 84.7 USD 0.63 2022年08月08日 23:22 PM  更新

南半球にあるニュージーランドはまさに冬真っ盛り。これまでにない寒さに震えています。ニュージーランド不動産市場は、マスコミがしばしば「冷え込み」と報道していますが、実情は少々異なります。※本記事は、2022年7月4日現在の情報に基づいて執筆されています。

 

冬を迎えたオークランド、経験したことのない寒さに

 

南半球のニュージーランドでは、思わず「寒~い!」叫びたくなる日々が続いています。

 

こんな寒い6月は、25年以上の現地生活でも経験した記憶はありません。温暖な気候といわれるオークランドでさえ5度、6度といった状況で、南のダニーデン、クウィーンズタウンはもっと低く、日中でさえ10度を切っています。

 

一方、日本は酷暑で、熱中症に倒れる高齢者や子どもが多くいるとの報道を見聞きしています。足して二で割れればいいのですが、思い通りにいかないものです。

 

ニュージーランドは気候同様、不動産業界も冷え込んでいるとメディアが騒いでいます。

 

オークションの成約も減少し、売却成立時期も長くなり、悪い・暗いイメージのニュースが続きます。銀行融資も厳しく、コロナ禍で2%台になった住宅ローンが5%台へと戻るなど、ファーストホームバイヤーには厳しい状況で、購入をあきらめる方が続出しています。

 

コロナ後初の市役所評価、地区ごとにばらつきあり

 

コロナ禍の影響で公表されなかった市役所の評価額も、今年は新評価額が公表されました。前回の上昇率は50~60%台でしたが、今年の状況について周辺物件をもとに調査したところ、20~30%のエリア、50%出ているエリア、商業用地区と居住用混合のエリアのなかには2倍になっている物件もあり、驚きました。今回は地区で大きな差が出ているのが特徴のようです。

 

では、この数値を基準にして高額で売れるのかというと、そう簡単ではありません。

 

ほんの一例ですが、市役所の評価額が83万ドルの物件の家主様は、約8年前に38万ドルで購入後、改装などの数万ドルを投資し、今回売却へ。最初は、近日出た83万ドルの評価額をもとに、80万ドル前後を期待しましたが、なかなかマーケットがついてきません。評価額が出る間際の時期は、そういうものです。

 

そこで、75万ドルにして反応を待ちますが静かなまま。冷やかす人はチラホラいますが実際のオファーがないため、一期に70万ドルに下げ、広告に告知しました。

 

するとどうでしょう。とたんに人気が急上昇し、複数の買い手が登場します。

 

一組はひと足早くオファーを出し、もう一組は時間切れ。条件付きオファーでの契約だったため、営業日5日後に購入の有無を決断するという契約内容であり、またキャッシュバイヤー(現金購入者)でもありました。

 

するとまた、別のカップルが登場。最初の希望者よりも3万ドルも上げてのオファーです。これをバックアップオファーと称します。最初のキャッシュバイヤーと契約成立しなければ、この方が購入の優先権を持ちます。

 

オーナーの心情は、正直「最初のオファー者が解約してくれれば…」と望んでいることでしょう。ところがこの買い手候補は「住宅ローンが取れたら買う」という条件つき。つまり、銀行が融資しなければ買ってくれません。なんとも難しいところです。

 

幸い、最初の候補者が先に一歩早くオファーを出したため、こちら優先で契約を受けることになりました。もし、同時に複数の候補が出ると、オーナーは非常に迷い、また、つい価格が高い方を選びがちです。しかし、現状においては住宅ローン取得が厳しく、現金での購入者は非常に重宝であり、また強力なのです。

 

結果、最初の方が購入を決断したことで、契約成立「SOLD」へと進みました。今回は、売り手・買い手・エージェント3者が巧みな連携で成立した案件でした。

 

現場では、マスコミ報道のような「冷え込み」はナシ!

オーナーが欲を出し、80万ドル台、いやせめて70万ドル後半…とこだわりを見せると、買い手が購入をためらって「ほかにもいい家があるかも」「別の地域も行ってみようか」となってしまい、時間がかかるのです。

 

エージェントは、オーナーに、

 

「いまが下げ時ですよ、70万ドルでも充分利益を得ていますよ、このまま買い手が見つけられなければ、家の維持などで手間がかかりますよ!」

 

と、決意を促し、買い手候補には、

 

「お得な物件ですよ、買いどきですよ、これを逃すとこの地域で同等の家は買えません」

 

と、決意を促します。

 

我々は、いろいろな角度・立場から総合して売り手・買い手を仲介する役目です。一瞬のチャンスを逃さず、アンテナを張っていれば、買い手は掘り出し物の物件を得られ、オーナーは速やかに売却益を得られ、新しいステージへと進むことができます。「希望より安い」結果になっても、マイナス要因ではないのです。

 

この数週間の間に同様の事例があり、どんどん結果が出ています。決してマスコミ報道のように、冷えてなんかいないのです。

 

週の後半は、ネットで不動産検索したみなさんから問い合わせが来ます。そして週末は内覧希望が出て、我々はいつも通り、例年と同じくオープンホームを開催します。たった1組、買い手が来てくれれば充分なのです。その一組との出会いを求め、日々営業しています。

 

複数のアパート・タウンハウスの販売では、一斉に多くの方が訪れます。かつては一戸ごとの販売になれば、20組、30組、多いときは冷やかしも入れて50組くらい訪れたこともあります。

 

コロナの影響もあり、そのような目まぐるしい状況ではなくなりましたが、ニュージーランドの不動産業界は、いつも明かりがともっているように明るく、ときには打ち上げ花火のようにホットな話題も上がります。とはいえ寒い冬の季節となったいま、まずは1件1件対応する地道なスタイルでビジネスを展開しています。

「今このとき」を制する者、NZ不動産投資を制する

 

資金が調えられる方は、まさにいまが買い時です。一方、売却の計画を考えている方は、まだ待って、9月の不動産繁忙期にマーケットへ出しましょう…と、言いつつも「売りたい方」「買いたい方」両方に、いつもお話していることがあります。

 

不動産の売却・購入いずれであっても、まずは「いま、行動に移す」べし! 広告の内容や数字だけで判断することなく、担当のエージェントと話しましょう。耳よりな情報が聞けるチャンスでもありますから、繁忙期を狙うより、少し静かな冬にコツコツ動くのはメリットもあるのです。物件も、雨が多く気温いときなら、コンディションの確認も容易です。いまお迷っている方は、まずは動いてみてはいかがでしょうか。意外なチャンスがあるかもしれません。

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。
1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。
現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表として活躍中。
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