現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 78.02 USD 0.682 2022年01月17日 20:15 PM  更新

【連載159回目】NZ不動産、天井しらずの活況!コロナを吹き飛ばす勢いのワケ

2021年4月12日

連載コラム 一色 良子

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「新型コロナ対策の優等生」とよばれるニュージーランド。2021年2月15日から3日間、2月27日から一週間と立て続けにロックダウンを実施するなど、徹底した感染対策を継続しています。そのような状況でありながら、ニュージーランドの不動産業界はかつてないほどの活況をみせています。オークランド在住で不動産会社を経営する筆者が、現地でしか掴めない不動産事情をレポートします。

 

オークランド不動産価格の平均値ついに100万ドル突破

 

ニュージーランドのアーダーン首相は、オークランドで2月15日から3日間にわたる特区ダウンを実施すると宣言。短い期間に国民が安堵したのもつかの間、同月27日から再びのロックダウンを実施しました。解除にいたるまで一週間程度だったものの大きな影響を人々に及ぼしました。

 

このような状況が続いたものの、年度末のオークションは通常通りに開催することができました。Zoomによる開催を余儀なくされるかと思っていましたが、警戒レベルの引き下げに救われました。

 

通常営業に戻ったことでオープンホームの訪問者数も増え、オークランドの不動産価格の平均値も100万ドルを突破。我々の拠点であるウェストオークランド、ニューリン地区の一戸建てにも投資家やファーストホームバイヤーの注目が集まっていました。

 

過去1年間の販売実績をみると、近隣の物件が92万ドル、99万ドルで購入されており、ビジターや仕事仲間も「オークションの落札価格は100ドルは超えるだろう」と話していました。オークション前に執り行われたオークショナーとオーナーたちとの営業状況の報告や、リザーブプライス(最低販売価格)を決定する面談会で「最低価格は95万ドルでもいいが、100万ドルにしてもいいのでは?」という声が出たことで、リザープライズは110万ドルだと思っていた私は「オークションで物件が絶対に売れる!」と確信しました。

 

5組のオークション参加登録を受け、訪問者に「販売価格は100万ドルを超えるでしょう」と話せば、全員納得した様子でした。もちろん、予算に見合わないと判断した人はオークションに参加登録はしません。

 

しかし、オークション前夜、午後9過ぎ。一番の買い手候補だったご夫婦の奥さんから、「今日家を買えたので、明日のオークションは欠席します。グッドラック!」というメールが届いたのです。この予想外の展開には、私も心が折れてしまいました。

 

買い手候補はほかにも4組いるからと気を持ち直しましたが、当然、新たな欠席者がでる可能性もあります。当日になるまで参加者が何人になるかは分かりません。案の定、もう一組から「いい物件を見つけたので」との連絡が入り、合計2組が前日にキャンセルするという状況になってしまったのです。しかし、同日に新たな参加報告をいただき、結果的にプラスマイナスゼロの合計5組でオークションを開催することができました。

 

オークションは90万ドルからスタートし、95万ドル、100万ドル、110万ドルと価格が上昇。つりあがる価格に、会場も次第に熱気を帯びていきます。再度競り合いとなり、ついには111万ドルにまで到達しました。

 

ここまでくれば物件が落札されることは確実ですが、落札の競争相手が別のセールスマンの買い手だったのです。私たちとしては、負けてしまえば手数料が半減するため、譲るわけにはいきません。111万ドルのオファーを出したのは私たちの顧客でしたが、先方がさらに価格をつり上げた場合、我々の顧客は予算オーバーになってしまいます。

 

自分の買い手がオークションに多くいた場合、ほかのセールスマンが顧客を連れてくるため、あまり望ましい状況とはいえません。というのも、ほかのセールスマンの顧客に落札されれば、手数料の半分を持っていかれることになり、私たちの数ヵ月に及ぶ苦労が無駄になりかねないからです。

 

しかし、買い手がいなければオークションは成り立ちませんから、買い手を連れてきてくれる同業者に感謝しなければいけません。手数料が全く入らないよりは、半分は得られる方がいいですから。こういった葛藤がオークション当日には起こるので、心情的には複雑です。

 

こういった事情から、落札される瞬間までは絶対に気を抜けません。「早くSOLDコールをしてくれ」と一心に願いましたが、パブリックオークションで取り乱してはいけないと、冷静さを保ちつつペンを握るしかありませんでした。

100万ドルキャッシュを用意するカップルも

 

ファーストホームバイヤーは購入の機会を逃すと、また物件を探し始めなければいけません。部屋のサイズや自分たちが所有する家具の測量のために何度も訪問された方もいたので、私たちも本当に心が痛くなります。

 

次々と家を売るような家主さんがいればマッチングしやすいのですが、こちらの思うようにはなかなか進みません。それが不動産業界の難しさでもあります。

 

また、あらかじめ100万ドル前後を予算組して家を買いに来る人々もいます。若いカップルへ「住宅ローンについてご相談しますか?」と尋ね「キャッシュで用意しているので必要ないです」といわれたときは「簡単に100万ドル(7,800万円)を用意できるなんてすごいな」と驚嘆したものです。

 

現在ニュージーランドでは、イースター休暇に入ったのと同時にサマータイムが終了し(日本との時差3時間)秋に突入しました。今ではコロナ禍が収束したかのような日常を過ごしています。ワクチン接種については、65歳以上は5月から接種予定で、それ以外の年齢の人は7月より開始されます。外国の方でも、ニュージーランドに滞在しているのであれば無料でワクチン接種ができるとのことです。

 

このような情勢を背景に、タスマン海を挟んだオーストラリアとの移動再開に関するニュースも報じられています。開港へ進むのかはまだ不明ですが、そうなれば世界との結びつきがまた一層強くなるでしょう。

 

オークランドの不動産価格は高騰…狙い目は地方か

 

オークランドの不動産価格の平均値は110万ドルにまで届き、ワイカト地方でも約75万ドルが平均値となっています。そのため、従来私たちが投資家の方々に紹介してきた、30万~40万ドル台の物件を探すのは、困難となってしまいました。しかし、オークランドに比べれば、ワイカト地方ではその半額で3LDKの物件がまだまだ買える状況です。

 

NZ永住権保持者で投資を検討している方は、オークランドで無理をしてまで高額な物件を買うより、地方の一戸建てを購入することをおすすめします。しかし、オークランドの不動産価格の高騰は異常であるものの、世界レベルでみると、まだまだお手頃感があります。

 

ニュージーランドの人口は2020年現在、504万人を突破しており、今後も右肩上がりに増加すると予測されています。2030年には519〜594万人まで人口が増えると考えられており(ニュージーランド統計局『National population projections: 2020(base)–2073』)、その見込みに沿って土地が分割され、そこにタウンハウスやアパートメントの建築を行うことで住宅戸数が増えているのです。低所得者向けの住宅も用意され、一戸建てからアパートメント生活に移行するなど、ニュージーランド人の生活様式も変化しています。2021年度もどう変わっていくのか、これからもニュージーランドの住宅状況に注視していきます。

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。
1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。
現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表として活躍中。
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