現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 91.05 USD 0.59 2024年04月19日 18:08 PM  更新

現在ニュージーランド政府は、高騰を続ける不動産価格への対策を講じていますが、ニュージーランドの不動産業界からは、様々な見解が発信されています。そこで今回は、「オークランドの不動産評価」について、ニュージーランドの大手不動産会社の経営者等の見解を紹介します。

 


 

 

価格水準が手頃になり、購買意欲はより活発に!?

 

Mike Bayley(マイク・ベーリー)

Bayleys Corporation 代表取締役

 

 

 

 

「過去1年間にわたり、当時の政府とニュージーランド準備銀行が導入した融資規制が結合した為に、我々が守ろうとしている市場部門に悪影響を与えています」

 

「伝統的に、初心者向けや平均的な価格の家の地域であるオークランドの郊外からさらに外に広がる地域と地方都市は、比較的に少ない供給とセールスである為、初めて家を買う人がその新しい規則の矢面に立たされました」

 

「新たな政府が確定し、投資家活動が平らな状態にとどまったため、最初の住宅購入者の一部が市場に再参入したことで、暴落した住宅市場の急速な成長に直面した中で、LVR規制は短期目標を達成したようです」

 

「過去7年間にわたって、低下した抵当貸付金利は、その期間で家を買った住宅所有者と投資家にとっては大きな恩恵となり、価値の巨大な成長期を支える要因の1つとなっています」

 

「2018年の第1四半期を見据えて、居住用不動産市場の4つの主要な要因(欲望、借金、死亡、離婚)が、居住用不動産サイクルのどの段階にかかわらず、依然として活気づいていると言えるでしょう」

 

「住宅地を売ろうとしている販売会社にとっては、ピークを見逃した事は間違いありません。ですが、ニュージーランドのこの世代で二番目に優れた居住用不動産市場で売る機会があります。来年の後半までに持ちこたえるなら、多分この世代で三番目に良い住宅地市場で家を売ることができるでしょう」

 

Chris Kennedy(クリス・ケネディ)

Harcourts 最高経営責任者

 

 

 

 

「10月には、オークランドでの平均住宅取得価格はNZ$963,359でした。これは、2016年の同時期に比べると、4.73%も上昇しました。その一方で、去年の10月に比べると、今年の10月には売上高は17.4%も低下し、新規売却不動産リストは1.21%低下しました」

 

「私から見ると、これは、市場にはふさわしい物件にはお金をだす覚悟ができている購買者はまだまだ市場にいる事を意味しています」

 

「この冬は、過去2年間にわたって、我々が慣れている冬と比べると、閑散でしたと言っても良いでしょう。10月の数値は、春の目覚めが最終的にここにあることを示す強力な兆候です」

 

「それは通常よりも小さく、後ろになることもあるかもしれませんが、売り手に良い成績をもたらしている購買者がいる事は明白です」

 

「特に不安定な選挙運動と政治転換は、少なくても過去四半期で見た一部の市場変動に対して責任の一端を担っていると、私は思います。購買者と販売者が、選挙が終わった今、人々は市場に徐々戻っています」

 

「最後に、オークランドでのオークションの数は、前年比で33.1%も低下しました。これは、多くの人が、市場が強い時オークションという販売方法は最も有効であると信じているからです。実のところ、市場の状態に関わらず、オークションはいつでも市場の状態と物件の価値を最も正確に反映します」

 

Graeme Fraser(グレーム・フレーザー)

Ray White NZ 代理店業務責任者

 

 

 

 

「2017年の第三四半期と第四四半期では、不動産市場に変化があり、伝統的に見られる選挙低迷期間を考慮すると、購買者と販売者両方から強い警戒感もありました」

 

「選挙までのリード期間では、ニュージーランド、特にオークランドでは数字が減り、この間に売り手が市場から離れていました。これは、現在の販売者に、市場での日々の長期化と、多半数の地域での価格安定化にもたらしました」

 

「今後のことを考えると、売買不動産の増加を見られるでしょう。これで、購買者は、価格水準が手頃になりますし、より購買意欲が活発になります」

 

「現在の融資基準は、まだ初めて家を買う人と投資市場を抑制していますが、特にオークランド地域外では、その購買者が入手できる物件の数は増加する傾向にあります」

 

「新政府が、不動産市場に関しての立場はまだ明白ではありません。しかし、現在の政策は、一部の外国人バイヤーがニュージーランドでの不動産購入を制限するものであります。この方針の完全な詳細はまだ不明ですが、移民レベルの著しい変化と同様に、いくらかの効果があります」

 

「ウェリントンには在庫が少なく、売り手の力が市場で強いままです。カンタベリーはよりバランスが取れており、在庫水準が上昇しているため、よりバランスになりました。018年末まで、利率への変化は予期されていませんので、これは購買者に有利になります」

 

「賃貸利回りは堅調に推移しており、持ち直しが予想され、これは投資市場にプラスとなります」

 

「不動産の貸し付けに対する新しいコンプライアンスは利回りに影響を与える可能性がありますが、物件はより住みやすい環境になりますので、賃借人にとっては、これは良い事になります」

 

話題となった外国人バイヤーの不動産購入の規制だが…

 

Peter Thompson(ピーター・トムソン)

Barfoot & Thompson(バーフット&トンプソン) 社長

 

 

 

「連立政権が、住宅値段の安定性を維持する事が重要であるとはっきりしましたし、選挙以来、実行した政策や語った事とを、この立場と相反する物は1つもありませんでした。このような背景のもと、今年の第2四半期以来存在していた市場環境(安定した価格と適度な販売数)は、2018年の第1四半期には変わらないでしょう」

 

「オークランドでの値段は、市場に入る物件の数が増加しているにも関わらず安定しており、過去の2年間と比べたら、販売数は低くなりました」

 

「このように販売数を減らし、選択肢を増やすことで、通常は価格が下がりますが、この要因は、2018年の大半を通して現在のレベルのままで予測されている抵当貸付金利と成長し続いている人口によって押しとどめられています」

 

「その人口成長は、は外部からの移住からだけでなく、自然の成長と他の場所からオークランドへの移住からも生じています」

 

「この新しい環境は、オークションでの物件の売り方を変えました。オークション最中のハンマーの下で売られた物件の数ははるかに少なくなり、かなりの物件数は、オークション後の1週間以内で売られています」

 

「多くの潜在的な買い手が条件付き買主になることを余儀なくされ、銀行の貸出制限がこの新しい購入手法の要因となっています。売り手のオークションに大きなプラス要因は、販売プロセスのタイムラインが短いことです」

 

「2018年の住宅市場は好調に推移しています。売上高は増加することとなるでしょう」

 

Keith Niederer(キース・ニーデラー)

LJ Hooker & Harveys Group 本部長

 

 

 

 

「オークランドは、シティ・オブ・セイルズ(帆の街)と呼ばれていますが、今は高速道路、学校と病院があふれ、シティ・オブ・スネイル(カタツムリの街)になってきています」

 

「多くの家族は、はしごをかけそこにいられるように努めていますが、ほとんどの住人はそこに居続けるだけで精一杯です。その理由は、金利の上昇と、1リットルが10cの石油税等、生活費の上昇です」

 

「生活費が厳しくなっているにつれ、より多くの不動産売却は発生します。より手頃で、負債がない生活を送る為に、地方に移住するオークランド人もいるでしょう」

 

「今のオークランドは、物件の販売はより時間がかかり、潜在的購買者からの緊急性もない事によってより多くの在庫もありますので、買い手市場となっています」

 

「LVR制限は、特に初めて家を買う人と投資家にとって、依然として効果が減速しています。銀行も、リスクの負担を軽くする為に、質の高い融資に集中し、基準を厳しくしています」

 

「一部の投資家は、賃貸不動産ポートフォリオの1つまたは2つまたは全部を、2018年に一般居住賃貸契約法改定の変更が施行された時点で販売することを選択する可能性があります」

 

「この法令は、ニュージーランドの50万戸の賃貸物件を占有するテナントに対して、より暖かく、より安全な賃貸住宅を提供するために、賃貸宿泊設備を提供する責任を家主に負わせています」

 

「この新しい法令で、多くの物件は不適合になります。経験から見ると、多くの投資家は、維持と修理に金を使う事を嫌いである事に気付いてました。これらは、市場に投資物件を出す可能性となります」

 

「これは、売却不動産リスト入手の可能性にとっては良い事で、初めて家を買う人にとっては役立つだと思います。全体から見ると、販売会社から十分な情報を得た上で、購買者にとっては健全な不動産市場になるでしょう」

 

Barry Thomand Grant Lynch(バリー・トムとグラーント・リンチ)

無限の可能性のある不動産

 

 

 

 

「当社が提供する分野における全体的な市場活動は、前年度よりも少量ではあるが、増加しています」

 

「毎年この時期になると、いつも急増があります。面白い事は、今回では一等地にある不動産に対する需要はありながら、登記や建築への妥協と障害がある物件は、市場の要求に応じる必要があるという事です」

 

「市場が過熱状態にある時、どんな物件でも割り増し金額で売られているように見えます。その点では事態は変化しているようです。セントラルオークランドからニュージーランド湾にわたって、物件の値付けは、物件毎に異なる事が証明されています」

 

「外国人バイヤーの制限に対する話は、大きな影響はありませんでした。初めて家を買う人と投資家に対し、銀行融資の制限と、2年以内の売却にかかるキャピタルゲイン税は、総需要を影響している事を疑う余地がありません。それ故に販売数量は低下しました」

 

「我々は、長年のキャピタルゲインを現金化しているベビー・ブーマー世代が次の動きを見せているため、活動の波に気付いています。この人口統計は、私たちのビジネスの大部分になり、長年続くでしょう」

 

「我々は、LVRのメカニズムと連邦準備銀行法令への提案されたレビューと、その2つが発生した関連事項の提案を待ちます。その間、バイヤーの注意が高まったにもかかわらず、当社のオークションは良好に行われています」

 

「我々は、先行きに不安があると思いません。そう、迫ってくる潜在的な下振れに対するコメントはありますが、歴史は現在の見出しを無視している人に有利です」

 

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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