優良な賃貸収入が得られる物件を見つけ出すには、良いプロパティ・マネージャー(不動産管理者)の協力が欠かせません。そこで今回は、良いプロパティ・マネージャーの選び方を紹介します。
優れたプロパティ・マネージャーを選ぶ7つのポイント
私たちは、すべての市場のプロパティ・マネージャー(不動産管理者)と密に連携を取って仕事をします。
ビジネスとして私たちが提供する価値は、モダンな物件であれ、リノベーションまたは手を加えることで潜在的な価値を引き出せる中古物件であれ、優良な賃貸収入が得られる物件を見つけ出すことです。
良きプロパティ・マネージャーの存在は、物件査定額を決めるだけではなく、より多くの情報を私たちにもたらせてくれます。
上記のことを踏まえた上で、投資家としてのあなたが今現在のプロパティ・マネージャーよりも優れたプロパティ・マネージャーを選ぶための7つの方法を以下に示します。
1.プロパティ・マネージャーに物件をみせ、過剰投資とならぬよう、あなたが考えるリノベーションによって得られるであろう賃料の上限を確認する。
2.新しいプロパティ・マネージャーを選ぶ際には、管理物件の平均賃貸期間を確認する。
3.プロパティ・マネージャーの担当管理物件数を確認する。
4.プロパティ・マネージャーに最後に賃料の見直しが行われたのはいつかを確認する。
5.プロパティ・マネージャーに賃料査定を行う頻度を確認する。
6.住宅ローンの支払いが困難になった際に、修繕費の請求が差し迫っている旨の警告がなされるか、あるいは突然支払い日に請求を受けるかを確認する。
7.プロパティ・マネージャーが、例えばIPMAなどのプロ組織に属すなど、自身へのサポートを得るための手段を持ち合わせているかを確認する。
「物件の魅力」を知り尽くしたマネージャーの選択を
優秀なプロパティ・マネージャーの例を紹介しましょう。
フィオナは2003年にトコロアでRent Assured社を立ち上げ、以来プロパティ・マネジメント・ビジネス(不動産管理事業)を営んでいます。
二人はトコロアでの物件購入を希望するクライアントのために素晴らしいチームを立ち上げています。
トコロアの不動産市場は、労働階級が多く住まう町のように、油断のならない市場です。
二人は基本的なことをすべてこなし、フィオナの夫は掘り出し物の物件を見つけ出しては潜在的利点を見出す一方で、フィオナはそれらが賃貸に有利な地域にあり、居住者が得られ易いかを確認します。
デビー・ヴァン・デン・ブルック氏は、この12カ月間、彼女が利用していたロトルアのプロパティ・マネジメント・ビジネスが、より大きな不動産業者によって買収されていくのを目にしてきました。
通常、大きな不動産業者には優秀なプロパティ・マネージャーが1人ないし2人おり、それ以外のプロパティ・マネージャーは日雇いになります。
そして新たなクライアントはプロパティ・マネージメントの品質に関係なく、営業を通じて不動産投資をしています。
多くのプロパティ・マネージャーは自身では投資物件を所有していないため、何が投資家を惹きつけるか、投資家によって本当の価値を理解していません。
そして優秀なマネージャーでさえも、大量の仕事と、取り扱い規模が膨らむ一方のポートフォリオ管理に追われて、肝心な情報を得ることができていないのです。
ロトルアの管理不十分な物件においての事例を一つ紹介しましょう。
ロトルアでは、現在の市場相場よりもはるかに低い賃料で貸し出されている物件が非常に多いという状況です。
●水による被害:大きな穴の開いたシャワー室からの住宅構造部への水の浸入、パイプ漏れ、屋根からの雨漏り。これらの水漏れは今に始まったわけではなく、修繕費が高くつくダメージが何カ月にも渡って蓄積したことによる結果です。
●6週間のみの賃貸期間であった居住者は、豚小屋生活をしていました。シンクの水は擬個された脂肪で固まり、一昨晩の汚れたお風呂の水を浴槽に残したままにし、そして汚れたオムツとゴミを家中に散乱させていました。
●ある居住者は窓またはドアが閉めることができず、また、暖房設備の壊れたドアに合板が打ち付けられていたために暖をとることができずにいました。
●物件を売却する上で必要な賃料の査定額を尋ね、そして実際の価値よりもよくみえるように賃料を非常に高く設定するプロパティ・マネージャー。
上記の様に、中古物件を購入する場合は、物件をじっくりと調べて、修繕に費用がどれくらいかかるのか、賃料相場を調べ、予算を決める必要があります。
良いプロパティ・マネージャーを持つことは、掘り出し物件を見つけ、価値を高めて大きな収益を生むことでしょう。
Author Profile
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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