現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 92.14 USD 0.594 2024年04月25日 07:45 AM  更新

価格高騰が続くニュージーランド不動産・・・今、購入するには?【第102回】

2017年8月25日

連載コラム 一色 良子

オークション オークランド 海外不動産 移住

価格が高騰しているニュージーランド不動産ですが、購入する際は「買い時」を見極める必要があります。今回は、「今、購入するには?」というポイントを改めて考えていきます。


 

買い手は「より賢く、慎重に」なっている!?

 

多くの都市で市場に変化がみられます。

ウェリントンでの報告によれば、買い手はより賢明になり、そして慎重になっているとのことです。
値札の付いた物件は多くの関心を引き寄せますが、入札期間中に申し込みが全くない場合もあります。

オークランド市場では昨年の今頃に比べて51%の住宅増となり、買い手にとっては購入しやすい状況となっています。
そして今や不動産業者は、オープンハウスに足を運んだ客との交渉に多くの時間を費やしています。

 

こうした動きから、下図の(古き良き)物件サイクル時計の1時~2時の位置にわたしたちが着地しつつあると捉える向きがいます。

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これらの不動産市況は、投資家に課した40%のローン資産価値比率(LVR)による規制など、人為的にもたらされているのです。

これらの規制により、非常に多くの人は、オークランド市場が2015年に暴落すると考えていましたが、それは大きな誤りでした。
そして、オークランド市場の物件数は51%増となり、3年前のレベルに戻りました。

 

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上のグラフだけを見ると価格が頂点に達しているようにも見えますが、果たしてからか上昇するのか停滞するのか。

 

それは、実際のオークランドの市場を見極める必要があります。

 

不動産を購入するのは、必ずしも投資家だけではないということです。実は、大半の人が、不動産購入をお金以外の部分で行っているのです。

 

自身で物件調査を行い、価格が適正かを確認する

 

①不動産購入者の意思決定を知る
  子供を育てる上で最良の場所はどこか
  友人家族から最大限サポートが得られる場所はどこか
  日々の許容通勤距離
  賃貸物件に支払う家賃は「死に金」ではないか
  家族の近くに住みたいか
  または実行可能な代替案はあるか
(例:賃貸物件に住まう、または両親と同居する)

 

「住居」を手に入れたいという熱望が、これらすべてを凌駕するのです。自分のやりたいことができる自分自身の家を持つために、価格以上の価値を見出します。

 

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②流動性の高い価格帯

オークランドの不動産の多くは、戸建て400㎡〜800㎡と土地が広いため、近年では、土地の小さなタウンハウスやアパートメントの購入者が急増しています。
その価格は、4Bed room 70万NZドル〜90万NZドルと購入しやすい価格帯となっており、オークランドに住むファーストホームバイヤーにとって適正な価格と言えるでしょう。

 

③今後の人口政策

イングリッシュ首相は、移民人口を年間7万人から10万人に増やすことを目標に掲げています。
その70%近くがオークランドなどの土地部に集中し、慢性的な住宅不足を解消するのは必至で、建築ラッシュが続くとみられています。

どのエリアにどれだけの人口集中が起こるかを知ることが重要です。

市場のタイミング(=売り時&買い時)を計ることは極めて困難です。
今サイクルのどの位置にいるかにかかわらず、市場に修正が入るという人と、今の低金利と高い移民人口によって市場が緩やかに上昇する(あるいはしばらく横這い状態となる)という人がいます。

そこで重要なのが「いつまでその物件を所有し続けるのか」です。
自身の家を最低でも3年から5年の間所有する計画であるのなら、市場のタイミングを心配する必要はないでしょう。

特に、人口増加が見込まれる地域での購入であればなおさらです。

買い手にとって、大きなチャンスが来たと考える投資家もいます。

 

1. 相場より安く購入して、賃貸利回りが上昇。また長期的なキャピタルゲインを狙う。
2. タウンハウス開発やアパートメント開発に適した小規模開発の土地を狙う。

 

自身で調査を行い、価格が適正であることを確実にしましょう。

購入を決める前には希望する地域の少なくとも15件から20件の住宅を見て回り、そしてオークションに参加する前には自身の予想価格と最近の販売価格とを比べてみましょう。

 

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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