現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 92.73 USD 0.596 2024年04月25日 19:26 PM  更新

NZの農場で生まれている「新たなビジネスチャンス」とは?

2017年8月14日

連載コラム 一色 良子

インフラ キャピタルゲイン 投資 移住 自然

広大な農場を有するニュージーランドですが、最近、この農場を利用した「新たなビジネス」が話題になっています。今回は、NZの農場で生まれている「新たなビジネスチャンス」について具体的に紹介します。


 

農場主は、風力発電基地等への転用で収益獲得

 

農場の所有者たちは、ウィンドファーム(風力発電基地)やグランピング(オートキャンプ場)といった新たなビジネスチャンスのおかげで、さまざまな形で自身の農場から収益を得ることができるようになりました。

こうした革新的な収入源の登場により、ニュージーランド中の農場主たちが土地を基盤とする収益や酪農による収益への依存率を下げることができるようになりました。

 

増加傾向にあるアオテアロアへの観光客が、農場主たちがたとえば観光のような酪農以外の分野でビジネスチャンスを得ているのを目にします。
シンプルなファーム・カフェから、地下洞窟ツアー、ロッククライミング、ビジター用の宿泊施設まで、農場主たちが土地を使って収益を得出したその方法には様々あります。

 

「グランピング(オートキャンプ場)として知られるハイエンドなキャンピングスペースのように、農場のインフラにあまり手を加えなくて済む宿泊施設や、Airbnb.comのような宿泊サイトが増えている背景には、新たなベンチャー参入への敷居が低くなっていることが挙げられます。

 

100-2

 

道路の整備など、政府も後押しする「風力発電投資」

 

しかし農場内において酪農以外での収益を得る方法は、他にも風力発電基地という方法があります。

 

ニュージーランドには現在稼働中または建設中を含め、19のウインドファームが存在し、全体で690メガワットの発電力を有します。
ニュージーランドの年間発電量の約5%を供給し、さらに2,500メガワットの発電が許可されています。

ニュージーランドの風力発電委員会のチーフ・エグゼクティブであるグレンヴィル・ガスキル氏は、ニュージーランドはパリ協定の下、自国目標を達成せねばならないため、「脱CO2」に向けた努力が今後奨励されることになるだろうと述べています。

 

ウインドファームが設置可能な地域の土地所有者は、多くの恩恵を得ることができます。
彼らの土地へと続く道路や敷地内の通路の建設など、非常に多くの投資を得ることができるのです。

 

タービン(風力発電機)の小型化のおかげで彼らは土地の大部分を使い続けることができ、当然のことながらタービンの設置代として発電業者から土地の所有者に定期的に土地のリース代が支払われます。

ハミッシュ・オーモンド、ジュリー・オーモンド夫妻は、ハミルトンの西に位置するテ・ウク(Te Uku)に農場を持っています。
彼らの土地に設置されたタービンは、メリディアン社が運営する28機のタービンが設置されたウィンドファームの一部分を担っています。

夫妻は既にウィンドファームが設置された1,300ヘクタールの店舗敷地を購入し、その土地に設置された2.5機のタービンに対する収益を得ています。

 

ある不動産エージェントは、ウィンドファームはまだ一般的ではないものの、より多くの人々が持続可能エネルギーから得られる恩恵に気付き始めていることから、今後人気が高まるだろうと述べています。

 

「わたしは不動産エージェントとして13年間働いていますが、いわゆる「オン・ファーム(酪農に従事)でありながら、ノン・ファーム(酪農以外)による収益を得る」という形が今後一層理想的ととらえられるようになるでしょう。
より多くの人々が今後ツーリズムにチャンスを見出し、代替エネルギー・ビジネスがこれまで以上に認知され、あるいはさらなる収益源が求められるようになることでしょう」

 

こうしたオン・ファームでありながらノン・ファームによる収益を得ている人々が増え、新たな土地活用のビジネスが生まれています。

 

それらの土地を売却するときには、新しい付加価値を付けてキャピタルゲインを得ることができるのです。

100-3

 

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
連載コラム 記事一覧 >

最近の記事

関連記事

Related Post

ニュージーランド ガイド

New Zealand Guide

ニュージーランド ガイド

New Zealand Guide