現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 92.74 USD 0.596 2024年04月25日 19:24 PM  更新

資産価値が大きくアップ NZ物件の「キッチン」改修事例

2017年5月12日

連載コラム 一色 良子

住宅 海外不動産 移住

ニュージーランド物件を高く売るために重要となるのは、意外にも「キッチン」です。キッチンにどのような付加価値を与え、買い手の関心を引けばいいのでしょうか。今回は、キッチンの改修について具体的に見ていきましょう。


 

まずは予算を決め、セールス・コンサルタントに相談を

 

家を売る際、家に付加価値を与えて、できる限り高く売るためには、キッチンが重要なポイントになります。

 

しかしすべてのキッチンがそうであるとは限りません。
買い手の注意を引き、よい取引に結び付けるにはどうしたらよいでしょうか。
販売前にリノベーションや改装を行うに当たり、予算はしっかり立て、キッチンの修繕前と後とで、それぞれいくらの値をつけるべきか、セールス・コンサルタントに相談することが望ましいです。

その後、その差額の範囲で納得のいく予算を立てるとよいでしょう。利益を大幅に目減りさせるような修繕計画など誰しも望みませんし、そうする意味もありません。

また、セールス・コンサルタントは役に立つ、簡単に行えるキッチンの改修案も示してくれることでしょう。配管や配(電)線の交換などを除外すれば、少ない予算でも大きな違いを生み出せます。

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明るくシンプルに、機能的に見えるよう工夫をする

 

以下にいくつかの案を示します。

 

①キャビネットの化粧直しをし、壁は塗り直して新しい食器棚または戸棚を置きましょう。Resene(リセネ)のようなペイント小売り業者に今流行の色についてアドバイスを求めましょう。そして明るく風邪通しのよい、広々としたキッチンの雰囲気を演出したいのであれば、明るいニュートラル色がよいでしょう。

また、買い手がキッチンを自身の色に染められるよう、あまり手を加えずにおくのもよいでしょう。あまりデコレーションに凝り過ぎて、自身の色を出し過ぎないようにしましょう。

 

②片づけや掃除も少ない費用でキッチンを綺麗にする方法です。戸棚や食器棚、パントリーの中は詰め込み過ぎずにスペースを保ち、片付いていて機能的に見るようにします。

そして表面が綺麗に拭かれ、傷がないか確認しましょう。もしベンチトップが古く、傷んでいるのであれば、予算的余裕があれば取り換えるのも手です。現在では様々な種類のベンチトップが幅広い値段で売られています。一番高いものを買う必要はありません。新しく、傷がないというだけでも、古く、汚れや傷のある表面のものよりはずっと良いでしょう。

 

③床や壁のタイルについても同じことがいえます。もし可能であれば交換しましょう。交換が無理であっても、古く汚れて傷んでいたり、床や亀裂の入ったタイルの修繕を行い、床のリノは剥がして、タイル交換後にはタイルのグラウチングの状態をきれいに仕上げます。

 

④天上や照明器具も忘れてはなりません。キッチンの照明を明るくすることでキッチンが機能的に映るだけでなく、明るい照明はキッチンをより広く、明るくみせてくれます。また、少なくとも天井の掃除をし、あとはお好みで塗装するのもよいでしょう。

 

⑤レイアウトを考えましょう。食器洗浄機や冷蔵庫、オーブンの配置を改善することでキッチンを使いやすくできないでしょうか? ドア同士がぶつかったりしていないでしょうか? 冷蔵庫が誤った配置にないでしょうか。

もし普段キッチンを使う中で使いづらさを感じているようであれば、買い手も同様の使いづらさを感じることでしょう。もし予算内でこれを改善することができるのであれば、そうする価値は十分にあります。

 

⑥シンクは、他のキッチンの要素ほどには取り換える価値がないようにみえますが、大きな差を生みます。適切なサイズのシンクはキッチンの機能性に大きな差をもたらします。特に、今小さなシンクが付いた古いキッチンを使用している場合には、尚更にそう感じることでしょう。水道の蛇口や取っ手も良く手入れし、綺麗にしておくとよいでしょう。

 

⑦オーブンの交換は高コストであることから、最終目標とすべきでしょう。最新のオーブンを古く、使い古されたキッチンに設置しても、付加価値という点ではスマートにきちんと整った照明の明るいキッチンに古いオーブンが置かれている場合とでは大きな違いはありません。

 

⑧取り掛かる前にキッチンをどうしたいのか、なぜそうしたいのかを確認しましょう。キッチンの改造は私的なプロジェクトへと変貌し易く、この機にそれまでやってみたいと考えていたことを全て盛り込んだ結果、気が付けば予算をオーバーしているという結果になりかねません。

キッチンをどうしたいかを考えることがスタート地点ではありますが、個人的な趣向に走り過ぎないようにしましょう。大局的見地から、空間や物置スペース、機能性や照明といった一般的な改善点について考えましょう。そして費用効果が最大限得られる形でそれらの改善が達成できるよう計画を立て、実行しましょう。

 

⑨どのような家財をキッチンに置くかについては良く考える必要があります。たとえば特殊なタイプの冷蔵庫を使用し、その周りにデッド・スペースが生じているのであれば、その冷蔵庫はキッチンの一部として残していくことを考えましょう。キッチンの主要要素で交換が難しいものについては、もし可能であるなら、一緒に売ってしまいましょう。

 

できる限り家を高く売るためには、キッチンは重要なポイントです。予算の中で優先順位をつけて、最大限効果が発揮できるリノベーションを実施しましょう。

 

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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