現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 91.08 USD 0.589 2024年04月20日 20:38 PM  更新

ニュージーランドで盛んな「土地分割」を利用した投資

2016年8月19日

連載コラム 一色 良子

 

現在、ニュージーランドで盛んに行われているのが、「土地分割」を利用した不動産投資です。今回は、具体的にどのような手順で投資を進めていくのかを見ていきます。


 

既存の住宅地・商業地域を分割することで利益を狙う

 

前回、深刻な住宅不足に対するニュージーランド政府の取り組みを紹介しましたが、今回は、具体的にどのように土地活用をしているのか見ていきましょう。

オークランドの西方面のGlen Edenといいう地区に、土地分割が可能な物件の販売がありました。

このGlen Edenという街は、現在商業施設の開発が進んでおり、また市内中心へのアクセスがよく利便性に優れているため、不動産価格が上昇しています。価格帯もお手ごろ感があるということで、多くの人々に注目されています。

この商業地域にある物件、土地のサイズは1012㎡あり、現在は1LDKと2LDKの2戸の家屋が建っています。また賃貸運営をしており、週600NZドルの収入を得ています。

 

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売却希望価格は120万NZドル。仮に110万NZドルで購入できたとして、土地だけ購入するのではなく、少しでも収入を得ながらの土地活用が可能となります。

連載第48回で、土地の買い占め投資法「ランドバンク」の説明しましたが、この土地ならば、5年寝かせてもキャピタルゲインは毎年10%上がることが期待できますし、かつユニタリープランの決定がされると、商業施設だけでなく、タウンハウス、アパートメントといった集合住宅の建設も可能になります。

最低でもタウンハウスを5軒は建設できますし、6階建てのアパートメントが建築できれば、30戸~50戸単位で住宅が増えていきます。これが、既存の住宅地・商業地域を活用した土地分割による開発なのです。

 

開発が進み、街として生まれ変わる「牧草地」

 

オークランド市内中心から西へ40分間車で走ると、以前は牧草地であった場所が宅地造成され、高速道路も開通し、ショッピングセンターも増築され、新しい街として生まれ変わっていました。

 

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現在は海に面した半島を宅地造成しており、400㎡足らずの土地が、68万NZドル相当で販売されています。新築物件の販売価格は、130万〜150万NZドル単位の相場となっています。

100万NZドル以上出せない、オークランド市内中心から遠いと思う方は、町中心の中古住宅を購入して、改装後住むことが多いようです。

この新たな街は、道が広く、ショッピングセンターもある活気ある街として注目されています。近隣にワイナリーやオーガニックレストランもあるので、田舎暮らしを味わいながらも、近代的住宅に住むことが可能だと、30代、40代の世代から熟年世代に好評です。

[図表]新たな街の宅地造成計画

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アレンジの自由度が高いニュージーランドの新築物件

 

今流行りの「新築物件デザイン」を見ていきましょう。現在は、外壁はブリック、ウェザーボード、クリーム色や薄いグリーン色を基調にした色合いが流行しています。

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今流行りの「新築物件デザイン」を見ていきましょう。現在は、外壁はブリック、ウェザーボード、クリーム色や薄いグリーン色を基調にした色合いが流行しています。

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また、基本的にニュージーランド人はアウトドア派ですので、夏も冬もバーベキューができるデッキ作りも大事なチェックポイントとなります。ピンポイントとなる照明もLEDライトにし、バスルームはジャグジー付きにすることで高級感をアピールしています。

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カーテンやブラインドの色合いは個人の好みがありますから、開発する方は予算節約を兼ねて、わざとカーテンを設置しません。買い手が好きなカーテンを設置できるようにすることで、万人の好みに合わせられるようにしているのです。

最後となりますが、ニュージーランドの住宅不足に貢献し、かつ土地開発を実行する場合、どのような開発が可能となるのでしょうか。

実例としては、

①土地を購入し、新築物件を建設。
②土地二分割、または三分割できる家屋を購入し、既存の家を改装が可能。新築物件の建設をしたい場合は、同じサイズの土地に1戸ではなく、2~3戸建設することができる。
③商業用施設や、タウンハウスかアパートメントの集合住宅の開発。

大規模と思われるかもしれませんが、オークランドでは、素人の方でも小規模開発にチャレンジし、富を築いています。良き建築業者、良いタイミングを確保できれば、道は開けるのです。

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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