今年に入り、ニュージーランドの不動産市場は活況を取り戻しています。今回は、バーフット&トンプソンとレイ・ホワイト・シティ・アパートメンツ両社が開催したオークションと、そこで販売された物件の詳細情報、価格についてご紹介します。
大盛況だったアパートメント&商業物件のオークション
先日、バーフット&トンプソンとレイ・ホワイト・シティ・アパートメンツの両社によって開かれたアパートメントと商業物件のオークションは、大変な盛況ぶりでした。投資家たちは、ここで多くの選択肢を得ることができました。
今週、バーフット社が用意していた4戸のアパートメント物件のうち、1戸は販売を取り止め、残りの3戸はオークションで落札されました。また、その後に開かれた同社の商業物件のオークションでは、1戸が事前売約済みとなり、2戸が落札され、3戸が不成立となりました。
レイ・ホワイト・シティ・アパートメンツ社のオークションでは、ビーチ・ロードにあるシーン・ワン(Scene One)アパートメントの商用賃貸借ユニットが4万9000ドルで売却され、同ブロックの4戸のアパートメントのうち、2戸が落札され、2戸が不成立となりました。この不成立となった物件は、いずれも昨年末に購入されたばかりの物件でした。
今年もNZ不動産の実売・開発は堅調な見通し
オークション結果は以下の通りです。
●バーフット&トンプソンによるアパートメント・オークション
A/10ホブソン・ストリート、ホブソン・クエイ・ビル
駐車場とバルコニー付きの80㎡のツーベッドルーム・ユニット。空室。 QV.co.nz によれば、同物件は2010年に42万ドルで購入されたもの。複数の入札があり、 70万2000ドルで落札。
12B/15マウント・ストリート
54㎡のツーベッドルーム・ユニット。空室。複数の入札があり、59万5000ドルで落札。
705/145シモンズ・ストリート
ハーバーの眺望と駐車場のあるワンベッドルーム・ユニット。空室。複数の入札があり、45万ドルで落札。
●バーフット&トンプソンによる商業物件オークション
367チャーリ・ストリート、ペンローズ
ゾーンB6に指定される816㎡の土地の前部にオフィスと駐車場を備えた、築年数がやや古い独立型の倉庫、兼作業場。空室。複数の入札があり、110万ドルで落札。
1A/155クイーン・ストリート、CBD
クイーン・ストリートとウィンダム・ストリートが交差する場所にある1F建ての小売店舗物件。現在、NZ郵便局、兼キーウィ銀行、スパーク(※Spark NZ: 旧称、テレコムNZ)、およびカフェに賃貸中。年間純収益は406,310ドル。競売人が500万ドルでの入札開始を望むも、400万ドルでの入札が1件あったのみであったため、不成立。
4M/6ビクトリア・ストリート・イースト、CBD
オークション前に成約。
●レイ・ホワイト・シティ・アパートメンツによるオークション
5/2ビーチロード、CBD。シーン・ワン(Scene One)ビル
同アパートメントビル内にある、2つの駐車場が付き、3つの医療コンサルティングルームに区画された60㎡の商業用ユニット。賃貸借物件。空室。1件のみ入札があり、4万9000ドルで落札。 年間地代は5977ドル、維持費は2946ドル。
808/1コートハウス・レーン。メトロポリス(Metropolis)ビル
44㎡の家具完備のワンベッドルーム。賃料:年間2万3400ドル。複数の入札があり、41万5000ドルで落札。固定資産税:1175ドル。法人課税:3886ドル。QV.co.nz によれば、同物件は2006年に20万7500ドルで購入されたもの。
7D/9ビクトリア・ストリート・イースト。リスター(Lister)ビル
の歴史的なビルにある40㎡のツーベッドルーム・ユニット。 入札は30万ドルで始まり、その後入札が無かったため35万ドルで競売人がベンダー入札(※ベンダーに代わって競売人が入札する)を行うも不成立となった。QV.co.nz によれば、同物件は昨年11月に33万2000ドルで購入されたもの。
1G/1オーファー・ストリート。ワン・オン・オーファー(One on Ophir)ビル
駐車場および広いパティオ付きの65㎡のスリーベッドルーム物件(ダブル2室、シングル1室)。空室。複数の入札があり、最高62万ドルを付けるも不成立となった。QV.co.nz によれば、同物件は昨年12月に58万5000ドルで購入されている。
1816/10ウォータールー・クレセント。 クオドラント・ビル
Aバルコニーと駐車場が付いた、22㎡の家具完備のスタジオ・ユニット。同ユニット賃料は年間収入1万9240ドル、駐車場代は年間1100ドル。複数の入札があり、33万7000ドルで落札。固定資産税:1789ドル。法人課税: 4207ドル。QV.co.nzによれば、同物件は2013年に27万1500ドルで購入されたもの。
今年に入り、アパートメント及び商業施設のオークションは活況を取り戻しており、開発も堅調に進むと予想されます。
Author Profile
-
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
連載コラム 記事一覧 >
最新の投稿
- 連載コラム2024.04.12【連載194回目】【NZ不動産の最新事情】オークランド、賃貸物件の慢性的不足が続く…投資家にはチャンスも
- 連載コラム2024.03.08【連載193回目】
オークランド地区、2月の不動産平均価格は100万NZドルを下回る…購入は速やかに、売却は8~9月まで辛抱を - 連載コラム2024.02.16【連載192回目】〈NZ不動産〉銀行金利7~8%、住宅平均価格100万NZドル超の厳しい状況…投資家の動きは?【現地バイヤーが解説】
- 連載コラム2024.01.19【連載191回目】「NZ移住のきっかけは、阪神淡路大震災でした」現地不動産のプロが、不測の事態に備えた国際的な〈資産分散資産・資産形成〉を真剣に勧める理由