観光国であるニュージーランドですが、今後は旅行者ばかりでなく、移民希望者も増えていくと考えられています。不動産投資では、彼らが暮らす地域ごとに、彼らの好みに合わせた物件を用意することが成功の鍵となっています。
アパートメント投資への期待度が高まる理由とは?
11月1日に開催されたラグビーワールドカップ決勝戦では、NZオールブラックスが優勝しました。
ラグビーの試合が開始されたのはNZ時間早朝5時ですが、じつは同じころ、オークランドでは〈オークランドマラソン〉も開催されていました。マラソン参加者の多くは、「自分も走りたいけれどラグビーも応援したい!」という、なんとももどかしい朝になったようです。
このラグビーワールドカップの経済効果により、世界各国は引き続きニュージーランドに注目することになるでしょう。そして、日本と同様に観光国であるニュージーランドは、訪問者数の伸びが期待されるだけでなく、実際に移民希望者も増えることが想定されます。
オークランドでは、オークランド大学をはじめ、語学学校の施設拡張が進んでおり、留学生の受け入れに備えてシティー中心のアパートメントは学生用フラットの数も増えています。その一部は、観光客にも「短期アコモデーション」として、ホテルのように貸し出されています。
この観点においても、ワンルームマンション等のアパートメント投資への期待度は高く、常に市内中心には、50〜60棟の開発が進んでいます。そして、郊外へと続いています。
オークランドには各国の移住者が作る「小都市」が散在
日本人移住者は、一つの街に固まって住居を形成しているということはないので、ニュージーランドには「Japanタウン」や「リトル東京」という名称はありません。
一方、中国、韓国、インド系の移民は、比較的多く住む地域があり、オークランドシティー中心から東方面には、ハーウィックという街に多くの中国人が在住し、スーパー、レストランが多く形成され、お寺までりっぱに建設されています。現地の人達は、この地域を別名「チューウィック」と呼びます。
韓国人は、ハーバーブリッジを渡った、元ノースショア市にあたる、ノースコート、アルバニー方面に多く住み、商店街の一角に食材店、焼肉店などのレストランが建ち並び、コリアンタウン化しています。また、打ちっぱなしゴルフ場、銭湯(大浴場)も運営されており、日本的情緒を感じさせる雰囲気があるので、少し日本が恋しくなると、このコリアンタウンに出かけることがあります。
インド系の方々は、サンドリンガム、マウントロスキルに多く暮らします。ここにはスパイスショップが数多くあり、本格的インドカレーのお店も建ち並んでいて、異国情緒漂う地域です。
購入ターゲットを絞って内装や外観を決定することも
のように、国際情緒のあるオークランドでは、新築の家を建設、中古物件改装の際、必ず、購入者のターゲットを絞り、地域制によって色、デザインを決めて行くことがあります。
中国の方は、壁に原色を入れることを好みます。例えば、四方は白であっても、一面だけ赤、または黄色を入れることを好む。キッチンの調理台の壁も赤が好き・・・。そういう好みを取り入れて、デザインしていきます。
一方、ニュージーランド人は、白やクリーム系のモノトーンが好きなので、ターゲットが絞りきれない場所の場合は白い壁にしておき、中国人バイヤーが購入した場合は、「お好きな色をご自由にどうぞ」と言うのです。
また、都会から移り住んできた人やアジア系住民は、手入れが面倒な庭や、芝生を好みません。それゆえ、コンクリートを入れたり、庭を狭く設計して、家の広さを充実させます。昔ながらのバンガロー、フレンチドアの設置、暖炉、緑の芝生・・・というニュージーランドらしい家のデザインは、建設費の高騰もあり、住民のニーズの変化とともになくなってきました。
ニュージーランドで投資を実現し、改装・開発をしていく時に、ここでご紹介した情報を思い出していただけると、きっとお役に立つと思います。
Author Profile
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元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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