現地不動産屋が教えるニュージーランド移住&投資ガイド
Currency Rate1NZDJPY 88.67 USD 0.577 2024年12月14日 12:33 PM  更新

不動産の「オークション」販売が熱気を帯びる10~11月

2015年9月25日

連載コラム 一色 良子

オークション 海外不動産 物件

ニュージーランドの不動産物件の売買はオークションが主流になりつつあり、10月、11月がそのピークです。今回は、オークションのシステムと参加に際しての注意点について解説します。

 

 

10月と11月は不動産売買のハイシーズン

ニュージーランドでは不動産売買のハイシーズンへと突入しました。最近は一年を通じて売買が盛んですが、とはいえ、10月〜11月のこの2ヶ月が最大のピークになります。9月の今はすでに家の内装の準備が整い、10月初旬に売り切りたいという家主が9月にマーケットに出します。

買い手側からすると、沢山の物件から選択できるメリットもありますが、競争相手も多くなるのが難点です。しかし「これが駄目なら次がある」とばかりに、複数の物件をターゲットに渡り歩くのです。

 

後から見た物件のほうが、最初に予定していた物件より魅力的だったというケースもあり、ニュージーランドの不動産売買は運に大きく左右される状況でもあります。

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ワントリーヒルの丘の下の公園の桜。 毎年、日本人はもとより、現地人も花見を楽しむ

 

主流の「オークション販売」のメリットとは?

ニュージーランドの不動産物件の販売方法は、大きく分けて3つあります。
1.定価付け

2.By Negotiation (交渉による)

3.オークション(競売)

 

現在ではオークション販売が主流になっており、売りに出される物件の8割のシェアを占めています。土曜日、日曜日、そして水曜日と木曜日も、盛んにオークションが開催される曜日です。今の時期、週末の住宅街はオークション目当てに人と車が集まってきて、とてもホットです。

 

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物件情報を熱心に見る参加者たち

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オークションの司会役と、オークションの進行を見守る一色良子氏

 

ですが、なぜオークション販売が良いのでしょうか。

 

●家主側のメリット

売買の成立が4週間の営業内ではっきりするため、家主は次の計画が立てやすい。

購入希望者が競い合うためベスト価格になりやすい。これは最大のメリット。

 

●購入者側のメリット

購入可能かどうかが当日わかる。

すぐ結果が出るためオークションの掛け持ちも可能で、時間が節約できる。

 

ここでひとつご注意いただきたいのは、オークションに参加する場合、当日までに条件を整えておく必要があるということです。資金の用意、建物についての調査もそれに含まれますが、資金として住宅ローンを利用したい場合は、銀行の融資承認が必要です。
オークションの際は、物件の担当セールスマンでさえ、当日まで家主の売却期待価格を聞かされない状況にあります。そのため、市役所が査定するCV価格(Capital Valuation Price)にどのぐらいの差が出るかを可能な限り聞き出し、相場を踏まえて参加時の予算を決め、当日を待ちます。

 

とはいえ、競り合ううちについ熱くなりすぎて予算オーバーしてしまう人もいます。筆者の場合は、バイヤーズエージェントとして、家主の購入履歴、家の内装状態、近隣の売却データー価格を総合し、買い手の方にアドバイスします。やはり、一人のセールスコンサルタントを選択し、購入までのプロセスを相談するのがいいでしょう。

 

なかには、「オークションに参加すると高く買わされてしまのでは・・・」と心配する方もいらっしゃいます。もちろんそういうケースもありますが、毎回、複数の競争相手がいるとは限りません。

 

また、どんな方法であれ、売り手が希望する価格に達していない場合は購入できないので、オークションで誰も手をあげないと、価格を下げてくる家主もいます。ですから、あまり臆することなく参加してみてはいかがでしょうか。

 

Author Profile

一色 良子
一色 良子Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長
元ツアーコンダクター。世界を周る中で、オセアニアのニュージーランドとオーストラリアを添乗したことがきっかけで、NZオークランドに移住を決意。淡路阪神大震災を経験したこともあり、1996年にオークランドへ移住実行。
「住居さえあれば暮らしは成り立つ」とワンルームマンションを購入したことがきっかけで不動産業界に参入。
20年間所属していた現地大手不動産仲介会社Harcourts(ハーコウツ)から、2018年創業の新しい不動産仲介会社Arizto(アリスト)Ltdに移籍。デジタル化社会・SNS時代に適合した独自システムを活用しながら、新時代の不動産コンサルタント業務に従事。精力的に活動している。
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